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zoom RSS 女三人のシベリア鉄道 森まゆみ

<<   作成日時 : 2010/02/27 08:31   >>

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大陸横断鉄道という言葉にはなんとなく浪漫を駆り立てる響きがあります。今ではそんな旅をする機会が減っているせいかもしれません。

雪の大平原、暖かい車内から見る白一色の世界。

実際はシベリア鉄道といえども雪の中ばかりを走っているわけではないし、そもそもシベリア鉄道が作られた理由も戦争の為に必要な物資を運搬するのが目的だとは知っているけれど(もっとも軍事目的以外の理由で作られた鉄道ってどれくらいあったかしら?という気はいたしますが)、それでもやっぱり飛行機での旅と鉄道での旅とでは受ける印象が違うのですね。

この本は時期こそ違えシベリア鉄道を利用して日本からヨーロッパに渡った三人の作家、与謝野晶子、宮本百合子、林芙美子の旅を追体験した記録です。

時代は微妙にずれているし、背負っているものも出身階層も異なっているので同じルートを旅していても同じ感想を抱かないのは当たり前なのですが、60年以上たって同じルートを旅した著者がその折々三人の誰に共感しているかで著者自身の考えが見えて面白いです。

この三人の中では林芙美子が一番一緒に旅して面白そうな人だなあ、という感じがしますね。

面白いのは中産階級のお嬢さんだった宮本百合子が当時成立したばかりのソビエト連邦を熱を込めて語っているのに対し、根っから庶民の林芙美子が熱に浮かされない目で冷静にソビエトの現実を観察していること。

大店のお嬢さんだった与謝野晶子が日本と異なる場所に感じる旅情程度の好奇心しか示さないのは、解る気もするのですけどね。

冷静に現実を観察しないと生きていけなかった階級は安易の己の信じる理想に合致するような現実だけを見たりはしないんですね。

この辺りが日本のリベラリストの弱さかなあ。戦前のリベラリストっていいうちのお嬢ちゃま、お坊ちゃまが多かったのかどこか腰砕けというか綺麗なところばかりを見ているような気がしますね。

現実を変えるには熱いハートと冷静に現実を見据える頭も必要なんでしょうが、熱いハートはあるんだけでどその分熱に浮かされて冷えた頭を持ってない感じ、などと本筋とは関係ないことを思ってしまいました。




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