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zoom RSS 知事抹殺 つくられた福島県汚職事件 佐藤栄佐久

<<   作成日時 : 2011/10/25 06:12   >>

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検察庁って、早急に改革が必要じゃないか?ここまで劣化しているとは思わなかったわ。というのが、まず最初の感想でした。

収賄容疑で逮捕された前福島県知事が書いた本でして、この知事が国の原発政策に反対していたことから、国策捜査で陥れられたんじゃないか?と言われていることは知っていました。

実際、前半の知事時代の思い出を読むと、国がこの人を邪魔に思っても無理はないなあ、と思うのですが(いや、言ってることは無茶なことではないんですけどね。
知事という県民を守る立場にあるものとしては当然のことしか言っていないし。過疎の問題で悩む福島県にとって原発は簡単に白黒つけられる存在ではない、ということは知事も理解しているんだから。

ただ、たとえ「原発を動かすなら、きちんと安全を確保した上で稼働しろ。県民が不安に思うような状況で安易に稼働することは許さない」というとても、もっともな主張でも、地方は国の言うことに従っていればいいんだ、という発想に慣れた中央官僚にとっては目ざわりに感じただろうなあ、と容易に想像出来てしまうので。

福島の農家の方がブログで「震災後一番頑張っていたのは、国でも市でもなく県の職員」と語っていたけれど、この本を読むと納得しますね。
1980年代から「国策である原子力発電の第一当事者であるべき国は安全政策に何の主導権も取らない」と国の完全無責任体制に痛い目に会い続けていたら、県は原子力発電や原子力行政を勉強して、自分達の地元を守る為にどうすればいいのか考えますよね)、後半覚えのない容疑で逮捕される過程を読むと本当に国策捜査だったのかなあ、と疑問がわいてしまうのです。

だって検察のやり方があまりに杜撰で。東京地検の妙な動き。福島支局の記者が事件性なしと判断した取材結果に対して、本社からくだされる取材ノート提出命令。

大変罰あたりなのですが、こういう状況が記されていれば、おお、まるでミステリーのよう。これから、国の政策に邪魔になる知事がいかにして無実の罪に陥れられていったのか、という過程が続くのね。

取材ノートを支局の記者に提出しろといった新聞が読売というのもお約束だな。読売と政府のツーカーぶりは有名だものねえ。
原発政策と読売のオーナーとの関係なんて、あちらこちらで語られているし、と思ったのですが、読み続けていくうちに、これ本当に国策捜査だったのかしら?と疑問がわいてしまったのです。

だって国策捜査なら、こんなテンプレートをなぞったようなやり方ではなく、もうちょっと賢いやり方をするのではないかな?と思ってしまったのです。

なに、このどこかで読んだようなパターンは。厚生労働省の村木課長罪でっち上げ事件とまるで同じやり方をしているんだもの。

特捜地検が先にストーリーを作って、ストーリーに沿った事実や証人を集めて(証拠集めの最中にストーリーに合わない証拠や証言が出てきてもそれは無視)、自分達が欲しい証言を言わない証人には取り調べ室倒れて救急救命センターに運ばれるまで尋問を続ける。

読みながら、これってあれと同じ……と既視観に陥ってしまいましたよ。

なんかね、国策捜査で逮捕されたというより、功名心と「自分達は国の為に働いているんだ」という自負心に逸った検察が「業界のことを考えてくれず、県のことばかりを考えている」と県の建設業者に評判の悪かった知事を、国にも建設業者にも評判の悪い知事が長期政権を維持できる筈がない。何か裏がある筈!と突っ走ってしまっただけのような気がするんですよね。

そりゃ、まあ国にとっては
「安全、安全と小うるさい知事がいなくなってくれたラッキー。あいつは地方自治体の長のくせに、お上のやることに一々楯ついて目障りだったんだよね。国の言うことには素直に従えばいいの。異を唱える奴なんで面倒で困るわ」
と、思う状況であったことは確かでしょうが、どちらかというと、これ特捜地検の暴走じゃないですけねえ。

地検の暴走による冤罪というと大野病院事件が有名ですが、あれも福島県でしたね。
凄いなあ、検察庁って。大野病院時間で、浜通りの産科を崩壊、ひいては日本の産科の崩壊とお産難民の増加を加速させて日本を更なる少子化に導こうとして、福島県知事逮捕事件で
「きちんと安全が証明されない限り、原発を再稼働させない」
と言った知事を逮捕して、東京電力に原発の安全政策に手を抜かせたままにしたのか。

福島に住む子供とその親の苦労を見ると、こういう苦労をする人が少しでも減るように産科を崩壊させて、生れる子供を少しでも減らしたかったんですか?と皮肉の一つも言いたくなってしまう。

後半の特捜地検の駄目駄目ぶりも面白かったですが、前半の地方分権の話も面白かったですよ。県民の生活を預かる知事として何をすればいいのか。一瞬でも隙を見せたら付け込まれる国(官僚)を相手にした闘いの中で、三位一体改革案をどう進めていくのか、という話はなかなかスリリングでした。

東京都の青少年保護育成条例の時に、馬鹿なことを言ってるなあ、と思った松沢神奈川県知事が、この本の中でもやっぱり馬鹿なことを言っていたので大笑いしましたけどね。馬鹿な人は状況が変わっても馬鹿なんだなあ。

「自分の住んでいるところが中央だ」という意識を持って改革に取り組もうとしている地方と違って、首都に近い神奈川県知事だと霞が関との距離が近いだけあって、自分の役割を深く考えず、そちらに顔を向けたまま人と話す癖がついているのかしらね。


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