海猫亭日誌

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zoom RSS 選択の科学 シーナ・アイエンガー

<<   作成日時 : 2011/04/15 21:28   >>

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タイトルにコロンビア・ビジネススクール特別講義と入っているのサンデル教授の本がバカ売れしたから、出版社がそれにあやかろうとしたのかしら?という気もするけれど、私にはサンデル教授の本よりも、こちらの方が面白かったです。う〜ん、面白かった、というよりも「使える」かな?

というのも私、選択する時に必ず迷う人なんですよ。だからサンデル教授の本は考えとしては面白いと思っても、そっちの考えにも裡がある、こっちの考えにも理がある、と右左ぐるぐる迷って、で、どっちを選べばいいんだ?と悩む人間にとってはあまり役に立たないんですね。

あの本は、こういう考え方もあるよね、と参考にしたうえで熟考し、スパッと選択出来る人には向いているでしょうが、熟考した筈なのに選択出来ない、石橋を叩いても悩むタイプの人間には向いていないのではないか、と。

で、この本は、私の悩みの種である選択について様々な疑問

「なぜ選択には大きな力があるのだろう?その力は何に由来するのだろう?」

「選択を行う方法は、人によってどう違うのだろう?」

「私達の出身や生い立ちは選択を行う方法にどのように影響を与えるだろう?」

「なぜ自分の選択に失望することが多いのだろう?」

「選択というツールを最も効果的に使うにはどうすればよいだろう?」

「選択肢は無限にあるように思われる時、どうやって選択すればよいのだろう?」

「他人に選択を委ねた方がよい場合はあるだろうか?その場合、誰に委ねるべきか?そしてそれは何故だろう?」

を、取り上げて選択が及ぼす人生への影響度を語っています。

「選択が生物の本能である」ということについては、まあ、そうだろうな、という感じであまり驚きはなかったのですが、育った文化的背景が選択に影響を及ぼすとは思いませんでした。

「あなたは選択を行う際『わたし』と『わたしたち』のどちらに重点を置くように教えられているのだろうか?」

アメリカをはじめとする個人主義志向の強い社会に育った人は選択を行う際、何よりも「自分」に重点を置くように教えられ、日本などの集団主義社会に属する人々は選択を行う際、「わたしたち」を優先するように教えられ、自分というものを、家族・職場・村・国など主に自分の属する集団との関係性でとらえる。

これは盲点でしたわ。同じものを見ても、木を見る西洋人・森を見る東洋人と、物事の認識の仕方が異なっていることは知っていましたが、選択の仕方も文化によって異なりが出るのですね。

個人主義と集団主義の違いをそれぞれの文化が理想とする結婚の物語で語っているところが面白かったです。

そうか、シンデレラとタージ・マハルの違いか。結婚するまでの物語が語られるシンデレラ。結婚してからの物語が語られるタージ・マハル。

「人が幸せをどのように定義し、どのような基準で結婚の成功を判断するかは親や文化から受け継いだスクリプトによって決まる」

確かに文化の影響は高いですね。今回の震災でパニックに陥らない日本人の態度を海外のマスコミが絶賛していたそうですが、日本人にとっては、ああいう時にああいう選択をするのが自然ですものね。

個人主義と集団主義というとなんとなく集団主義の方が悪いように思えてしまうけれど、何故集団主義文化に属しているのか?ということを気候風土も絡めて考えると、生き延びる為には適した文化を選択したのかな?というような気がするので、単純な否定は愚かな行為じゃないかな?と思ってしまいます。

個人主義はともすれば身勝手な振る舞いを助長し、集団主義は停滞をもたらしかねない。だからこそ多国籍企業は多大な労力を費やして、最初から両方のいいとこ取りが出来るような統一的な企業文化を生み出そうとしているそうですが、そりゃ難しいでしょうね。
意識して、ならともかく、無意識にしてしまう行動を変えることは難しいですもの。

「他人には意思決定の方法や戦略を助長するくせに、いざ自分の長い目で見た幸せがかかるとなるとそれを頼りにしていいものか分からなくなる」

これも解かるわ。傍目八目とはよく言ったものです。人は自分の事でなければ正しい判断を下せるのでしょうね。

「『どれ』を選択すべきかについては助言できないが、『どうやって』選択すべきかについては忠告できる。まず紙の真ん中に一本の線を引いて、上下二つに分け、上半分には「賛成の理由」下半分には「反対の理由」を書き出す。それから3,4日かけて、よく考え、それぞれの理由の下に何故そう考えるのかを簡単にまとめて書く。何故賛成なのか・反対なのか。その時々に頭に浮かんだことを書いていく。
こうやって全てを一覧出来るように書き出したら、今度はそれぞれの重要度を考える。一つの賛成理由と二つの反対理由の重要度が同じになったら三つに横線を引いて消す。
二つの賛成理由と三つの反対理由が同等なら五つとも消してしまう。この作業を続けながら、どたいらにバランスが傾いているのかを調べれば慌てて判断を下すことも減って、より良い判断を下すことが出来る」

ええ、ええ、そう上手くいくのが理想なんでしょうが、困ったことに人間は感情の生き物なんですよね。だから

「多数の属性を基に選択しなければならない時、選択をどのような順序で行うのかが、多くの選択肢に対処する鍵になる」
という言葉が重みを持つのでしょう。

選択のツリーを作って、まずは選びやすいものから選ぶ。種類の少ないもの、自分の欲しいものが既に分かっていれば、まずそれを選ぶ。
次に自分の選択したものを指針として、少しずつ難しい選択に取り組む。浅瀬から始めて、技と度胸を培いながら徐々に深場に向かった方が溺れにくい。なるほど。

「選択に構造化された方法を取り入れることには試してみる価値がある。選択のプロセスに細心の注意を払い、選択そのものの幅を拡大するのではなく、それを実践する方法に注目することで選択の力を最大限に引き出すのだ。芸術や音楽が生み出すものであるように、選択もまた生み出すものだ」

何を選ぶのか、と同じように、何を選ばないのかも大事だということなのでしょうね。

多くの選択肢を闇雲に求めても結局はそれほど役に立たない組み合わせや必要を遥かに超えて複雑な組み合わせを悪戯に生み出すだけ。

選択を通して、環境を、人生を自分自身を築いていく為には、選択に制約を加えることの意義を学ぶこと。何かに「しがみつく」為には、何かに尽くさなければならないことを学ぶこと。

確かに、この献身こそが選択に満ち満ちた現実世界で、最も難しいことなのでしょうね。

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