海猫亭日誌

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zoom RSS 蒼のマハラジャ 神坂智子

<<   作成日時 : 2011/02/07 22:42   >>

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久々にベルばらを読み返したら、ついこちらも読み返したくなって読みふけってしまいました。

あちらが18世紀フランスなら、こちらは20世紀初頭のインド。ともに10代で王位を継いだというのに賢君か、そうでないかでこうまで結果に差が出るのか、という話ですね。
ベルばら最終巻で、アントワネットは「牝犬」「オーストリア女」と罵られておりますが、モイラは最終巻で選挙に勝って
「マハラーニおめでとうございます」「ジョドプールばんさい」
と州民に歓喜の声援を送られていますからね。(その分モイラは白人の王妃に反対する人間に銃で撃たれたり、インド独立後に備えてハーバードで猛勉強したりと苦労を重ねているわけですが)

どちらも面白いですが、治められる立場から言えば、どちらがいいかなんて言わずもがなですよね。
オスカル様、この話だとパンディットとシバの立場に該当するのかしら?
仕える王妃がモイラだとしても彼女の苦労は減りそうにないけれど(バンディットが「シバあきらめろ、マハラーニがタフなのは昔からだ」と言っているくらいモイラは行動的な王妃だから護衛の立場なら気が気がじゃないでしょう)精神的なストレスは減りそう。

なんといってもモイラはアントワネットと違って無知じゃない。インド政府の役人にむかって
「あなた方は何を考えておいでなの。あれでは農民はゆとりさえありませんわ」
と、抗議できる王妃ですから。
(しかし、この時のインド政府の言い分も解るんですよね。独立したばかりのインド。東西パキスタンとの戦争にきな臭い動きをする中国。国民の生活?そんなものは二の次だ。まず国を守らないと独立した意味がないと軍事費に税金をつぎ込みたくなる気持ちも解る)

この話ある意味シンデレラストーリーの筈なんですが
(父の赴任についてインドの藩王国に住むことになった少女が、その国のただ一人の王子であるシルバに求婚されて彼の妃となり、国民から慕われる王妃となる、というのが大筋なんですから)、
そういう甘さはあまり感じないですね。

シルバがただ一人の王子である理由も、彼以外の王子が全て亡くなっているからだし(王女は誰も死んでいないのに)、王宮内の権力争い+インド独立も藩王国内に影響力を残したいイギリスとそうされたくないラジャスタンの思惑に巻き込まれてモイラの母親は殺されるし。

結婚が決まれば決まったで、王妃が一人だけ?冗談じゃありません。ヒンドゥ、ムスリム、仏教徒のからそれぞれ妃を迎えるのが当然です、の常識が立ちはだかってくるし。

宗教争いを避けるには確かにそれが最適だよなあ。王様の結婚というのは政治なんですよね。

そういう中でモイラ一人を妻とし、愛し愛される幸せな夫婦をやっていられるシルバは偉大だわ(少女マンガだからね、と言ってしまえばそれまでなんですが、この人ならこういう行動をするだろうな、と話に納得させられてしまったので無理感はないなあ)

彼はだんだんいい男になっていくんですよね。初登場時の我が儘で神経質そうな王子から、周りの状況を眺めて自分が何をすべきかを正しく判断し行動できるマハラジャへ。

インド独立直前の近衛兵に対する対応なんて、モイラが
「何度もあなたに恋をする」
 と口にするのも無理はないよなあと素直に納得出来るくらいかっこいい。そういえば神坂さん、松平容保公がお好きだったなあ、と連想してしまいました。

ベルばらでは恵まれた環境にいても、それを活かせない人っているよね、という感じの人が多数おりましたが、マハラジャでは、恵まれた環境で育った恵まれた人が、その立場と環境を活かして、己の責務と見定めたことを立派に果たし、世の中をいい方向に変えていくという感じですね。

革命万歳の70年代の作品とイデオロギーなんで幻想だよの90年代に描かれた作品という時代の違いもあるかもしれません。貴族制度の崩壊を描いた70年代。
「滅びゆく王家を実感するよ」
 というジャイのぼやきに
「滅びてもいい人間などいない。誰も滅びたりはしない」
 と、シルバが応えた90年代。

そういえば神坂さんは伝統的な生き方をしている女性達も否定しませんね。親の命に従ってシルバと結婚しようとしたウシャも
「君とモイラは似ている。どちらも優しくて強い」
 という台詞で表してますもね。親の命に従う愚かな女ではなく、そういう生き方をしているのがウシャ。違う生き方をしているのがモイラ。
ただのスタイルの違いだけで、どれがいいとか、どれが悪いというわけじゃない、という感じが凄く好き。

モイラのおばあさまも魅力的な人なんですよね。自分の思いで突っ走ってしまいそうなモイラを
「あなたエヴィのお腹から出て100年もたったのかい」
 と、いさめてくれたり、若者には出来ない視点で物事を指摘してくれるところなんて年長者の知恵という感じですね。

やっぱり70年代って革命と年長者否定の時代だったのかしら?古いマンガを読み返すと、その時代時代の時代背景が見えるような気がしますね。


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