海猫亭日誌

アクセスカウンタ

zoom RSS さくらの気持ち パンダの苦悩 唐 亜明

<<   作成日時 : 2010/06/03 19:12   >>

ブログ気持玉 0 / トラックバック 0 / コメント 0

谷崎光さんとは逆に北京で生まれ現在日本在住の中国人が日本語で書いたエッセイなんですが、これが外国人が書いたと思えないほど上品で美しい日本語で書かれているんですね。

茨木のり子さんや佐野洋子さんという名だたる名詩人とつき合いがあり、神沢利子さんの絵本作成時に編集者として関わったようなので(「鹿よ、おれの兄弟よ」の為にシベリアまで行かれていますものね。この方が関わっているといは思いませんでした。あれは「小学生をお持ちの皆さん、お子さんのプレゼントにぜひ!」とお勧めした名作です)彼女達にも言葉の選び方で影響を受けたのかな、と思うのですが読んでいて気持ちのいい日本語ですね。

文中で、日本語の助詞は難しく完璧にマスターすることは永遠にできなそうだ、と書き、日本語で文章を書くのは倍の時間がかかると書いていますが、これだけ綺麗な日本語をかけるならええやんか、と思ってしまいますね。

へえ、と思ったのが何故自分が倍の時間がかかっても日本語で書くかの理由を
「懐かしい」「落ち着く」「しみじみ」「大変だね」などは的確な中国語に訳せない。中国語で書く時はこれらの表現は浮かんでさえこない、からだそうで。

まあ、これは日本語内だって方言でしか表せない言葉があるから、と解かるような気がしますが
「日本語で書いていると、物事をより丁寧に観察し、感情の激しい起伏を抑え、断定的な口調を排し、控えなな気持ちで繊細な情を伝えるようになる」
となると、よくどんなものを食べているかで、その人が解るというけれど、どんな言葉を使うかも影響は大きいのかもしれませんね。

「詩を話すなら日本語」で日本語というのは繊細なものを表現するには向いている言葉なのかもしれません。

対して声調が違うと言葉の意味がまるきり変わる為、相手に解かってもらう為に声を大きくする必要がある中国語は、物事を見る時は、まず問題の核心を捉え、臨機応変に現実に対処し、前に進んでいく中国人のエネルギッシュさを生み出しているのかもしれませんね。

長所は短所であり、短所は長所である。近隣の国なのに、ここまで見事に国民性の違いがあると、その違いに拒否反応を示すのではなく相手の良いところを学んで取り入れなければ、と思わないともったいないかもしれません。

中国の一般の人達からすると日本人は几帳面で細かすぎると思っていそうですが、食の安全へのこだわりは心の底から羨ましく思っていそうですね。

「毎日一杯の牛乳が民族を振興するのは日本のスローガン。毎日一杯の牛乳が民族を驚愕させるのは中国のスローガン」
というのは自虐的で笑ったわ。泣いても変わらない現実があるのなら笑わなければやっていけないでしょうね。確かにこういう国では国が力を込めて愛国精神を強調しなければ、国よりも自分と家族、となるのは当然からもしれません。

谷崎光さんの本を読んだ時、からゆきさんについて山崎朋子さんが

「海外に売り飛ばされた少女達に向かって女衒は言った。 
 『おまえ達の稼ぐ金で故郷の家族は楽になれる。おまえ達のすることはお国の為になるんだ。』
 その言葉は詭弁ではあったが少女達に生きがいを与え、過酷な生活の中で彼女達の心を守る盾となった」

 と書いていたことを思い出して、華僑の苦境と比較し、う〜んこの違いはどこからくるのかな?日本の方がお上に対する信頼感があったということかしら?と思ったのですが、この本で中国人と日本人の愛国心を比較して、日本人は愛国心が旺盛でナショナリズムに燃えやすい性質を持っていると書かれていることで疑問が解けました。

つまり日本人の方が郷土愛が強くて共同体への帰属意識が強いのでしょうね。
中国人の愛国心は教育されて身についたもの。郷土愛?そんな事を言っていたら飢え死にだ。生きる為には故郷を捨てなくちゃ、という体験を歴史上何度も繰り返してきたから、中華系の人々は国ではなく、人のネットワークを大事にしてきたのかしら?

「中国は革命の道を経なければ、もっと駄目だったでしょう。逆に日本人の性格を考えると、もし社会主義の国になったら、たちまち全体主義に走ってしまう可能性があった」

という言葉が両国の国民性を見事に言い表しているようで印象的でした。


さくらの気持ちパンダの苦悩
楽天ブックス
唐亜明岩波書店この著者の新着メールを登録する発行年月:2010年03月登録情報サイズ:単行本ページ数


楽天市場 by さくらの気持ちパンダの苦悩 の詳しい情報を見る / ウェブリブログ商品ポータル



テーマ

関連テーマ 一覧


月別リンク

ブログ気持玉

クリックして気持ちを伝えよう!
ログインしてクリックすれば、自分のブログへのリンクが付きます。
→ログインへ

トラックバック(0件)

タイトル (本文) ブログ名/日時

トラックバック用URL help


自分のブログにトラックバック記事作成(会員用) help

タイトル
本 文

コメント(0件)

内 容 ニックネーム/日時

コメントする help

ニックネーム
本 文
さくらの気持ち パンダの苦悩 唐 亜明 海猫亭日誌/BIGLOBEウェブリブログ
文字サイズ:       閉じる