海猫亭日誌

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zoom RSS 感動中国 女ひとり千里を行く 谷崎光

<<   作成日時 : 2010/05/30 19:03   >>

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文中で私の旅行はビジネス出張で始まったのでバックパッカー的な旅は初めてである、と書かれていたのですが、バックパッカー的な旅でも谷崎さんの目は仕事人の目ですね。〜

仕事人、う〜ん、どちらかというと商売人かな。相手の売り口上をまったく信じずに
「う〜ん、これはぼってる」
「これは適正価格」
「なんで、これがこんなに安いの?」
 と見極めようとする目は相変わらず健在です。

文人の桃源郷、仙山、清暉園を「マイ中国庭園ベストワン」と認定しながらも清朝末期、重税と官僚の腐敗で移民が続いていた広東省で、美しい庭の中で「文人の夢」に溺れていた当時の中国の官僚達を
「いいとこのボンはさぞ現実を見たくなかっただろう」
 と評し、高雅というのは時に酒池肉林よりタチが悪いと断じ
「ただ死をむなしく待つよりは〜」
 と海外へ出稼ぎに(あるいは海外へ奴隷として)海を渡った広東省の農民達を思う。

雲南省で
「国家というのはヤクザにそっくりである。守ったるから金よこせ。思想が似ているせいか現実にどこの国でも彼らは仲がいい」
と名言をはき。江西省で小さな焼き餅を売っていたおばあちゃんの優しさに癒された後は、怒ってもどうにもならないことが日本の4倍くらいある国で、ただひたすらに現実的に対処しながら生きていく中国人に感服する。

山西省で学校を出てないから出稼ぎに行けず饅頭1個分の報酬で雇われているガイドの小姐に誰からも見えないところでチップを渡し、私が時々お金を沢山稼ぎたいなあと思うのは一生懸命やってくれた子にきちんと対価を払いたいから、と呟き、中国政府ご推薦の「質素倹約誠実を旨とし」「中国金融業の基礎を作った」山西証人の真実の姿は軍事商人&政商&阿片商人であったと見通しその夢の果てを見つめる。

歴史を知るということは今を知るということなんだよ、というありふれた言葉が本当によく似合う旅ですね。そして他国を知るということは自国を知るということなんですね。

この本の終わりにフェロノサと岡倉天心のもう一つの姿が出てきます。非難することなく事実を語り、今更善悪を問うこともないと思うが、誰が何の為にオブラートを着せてしまったのか、は考えもいいだろう、と語る言葉に彼女が何故中国に関わり続けるのかが解るような気がします。

確かに日本は薄もやの善意に覆われた国ですね。それが悪いわけではなく、美点でもあるのだけれど、全てが薄もやの中に包まれている国にいると日本人の常識が通用しない剥き出しの激しさに惹かれるのもまた事実でしょうね。



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