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zoom RSS コミュニケーション力を引きだす 演劇ワークショップのすすめ 平田オリザ 蓮行

<<   作成日時 : 2010/03/03 23:23   >>

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とっても刺激的な本でした。これからの世の中を生きていく為に必要な能力として重要視されるものの一つにコミュニケーション能力があることは以前から言われておりますし、それをどうやって養うかということについての書籍も色々出ているようですが、納得力という点ではこの本はだんとつでした。

確かに世界のどこに行っても演劇的なもの、舞や芝居などの伝統芸能的なものを持たない社会はないですよね。それは何故かといったら、社会がそれを要求しているからとしか言いようがないでしょう。

コミュニティ形成の為の訓練として演劇(芸能)というシステムが共同体の中に組み込まれてきたというのは、とても納得できるし、人間はそれぞれ多様な出自や価値観があって同じ言葉を使っていても同じ意味で使っていると限らない。

インプット(感じ方)はバラバラでもいいけれど、アウトプット(表現)は統一しなければならない。そこに何らかのノウハウがある。それを身につける為の手段として演劇がある、という主張は、

イギリスではどうして舞台演劇があんなに盛んなのか?
イギリス政府はどうしてあれだけ強く演劇を支援するのか?
どうしてかつての日本で祭りの度に各地で神楽や浄瑠璃などが盛んに行われたのか?

を考えると、ストンと納得できますね。

リーダーシップを取る為に必要な発想や柔軟性や統率力は、芸術、文化、スポーツの体験からしか学べないというのが欧米の伝統だそうですが、かつて日本も祭りに向けて繰り返し皆で出し物を練習することで、それらを身に付けていったのですね。

それらの街の芸能が廃れていった時代と「より早く、より正確に、より多くの製品を作ること」が重要視される高度成長時代が重なっているというのは、なんとも解りやすいですね。

なるほど時代の変化とともに廃れてしまったものの価値が、さらに時代が変化したことで明確になってしまったわけですか。

優秀な舞台俳優に必要な能力についての言葉が、ここまで見事に優秀なビジネスパーソンについての言葉として言い換えられるとは思いませんでした。

子供向けの演劇ワークショップを公募しても「これからか学習塾の勉強だけじゃダメだ」と思っている教育への関心の高い家の子どもが来る。茶髪にジャージという子どもは来ない、という言葉が怖い。本来は、そういう家の子どもにこそ必要な場なのに。

「適切なコミュニケーション」とは「瞬時のインプット」によって得た情報を(演出力)、頭の中でシナリオとして組み立て(脚本力)、相手に伝わるような「適切なアウトプット」(演技力)を他者と連続して行うこと。

確かにこれが出来れば生きるのははるかに楽になりそうですね。

秋葉原の事件の裁判がこの間あったけれど、あの事件の犯人も、子どもの頃から舞台の日に向けて皆で何かをする経験を持っていたら少しは変わったのかなあ、とそんなことを考えてしまう本でした。



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