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zoom RSS 弁護士闘う 宇都宮健児

<<   作成日時 : 2010/02/06 11:32   >>

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宇都宮健司の事件帖と副題がついていますが、過去扱った事件を見ると確かに事件帖と呼びたくなる事件ばかりですね。

「豊田商事事件」「地下鉄サリン事件」「商工ローン事件」「オレンジ共済事件」「和牛預託商法事件」
どれもかつて新聞をにぎわした事件ばかりですね。このうちのどれか一つだけでもかかわりがあったと聞いたら凄いなと思うのに、この方すべての事件に被害者側の弁護士として立ち会ってきたのですね。

著者にとって弁護士の定義というのは「弱い人々の為に闘う」であり、自分の決めた定義に忠実に従って仕事を重ねてきたということなのでしょうね。(自分で「弁護士やったって儲かるとは限りません」と明記しているし)
開拓農民の子として育ち、自分の周りでは中卒や高卒で働きに出るものがほとんどだったという生育環境が影響して、こういう定義を立てたのでしょうね。

それを考えると学生運動が盛んな時代に大学に行っているのに、著者が学生運動に足を踏み入れた形跡がないのが解るような気がします。
故郷で頑張っている家族のことを考えてたら学生運動して遊び気にはなれなかったのでしょうね。

まあ、これは私が学生運動盛んな時代の映像を見ては、親の金で大学行っていた人達が、親を頼らずさっさと就職した機動隊や警察の人達に向かって石投げていたのね、としか思えない人間のせいかもしれませんが。(学生運動の結末や始末の仕方を読むと大規模な学生のお遊びとしか思えないもの。常識もって筋を通している人ってどれくらいいるんだ?という感じだし)

それとは別にへえ、と思ったのが、著者が大学生だった当時の東大に貧しい家庭出身の人が多かったと書いてあること。
東大生の親は富裕層多し、とか、学歴と親の収入は比例すると囁かれている昨今の状況を考えると隔絶感がありますね。

当時の教育費って本当に安かったんだなあ。あるいは優秀な学生を吸い上げようとする社会のシステムが今よりも上手く運営されていたのか。

そもそも東大自体が、国家の為に優秀な人材を育てようということを目的として設置された機関ですものね。
多様性、多様性と昨今お題目のように言われているけれど、異なるバックボーンを持っている人間が集っていたという点では、この時代の学生の方が今よりもよほど多様性を実感する機会が多かったんだなあ、と本筋とはまったく関係ない部分で色々考えてしまいました。

これって国にとってじゃあまり良くないことかもしれませんね。東大生なんて、どう考えても一番官僚になる確率が高いわけだし。

政策や法律を作成するうえで、肌感覚で知っている情報と知識のみで知っている情報では情報量に差があるんじゃないかな?という疑問が湧いてくるもの。

数字だけを見て物事を判断するのと、どうしてその数字が出たのか、その背景にあるものを理解し、背後の事情を想像したうえで立案するのでは実情への役立ち度が違うんじゃないでしょうか?

だから役に立たない法律ばかりが増えるのかな?して欲しいことは、それじゃないよ、という感じで似て非なるものばかりが出来ていく。

この方はとことん社会保障、社会のセーフティを守るという立場から発現、行動してますよね。それに異論や反論もあるだろうけど(以前出たセミナーでグレーゾーン金利撤廃によって起こるデメリットについて講師が言及していたし)、弁護士とはいえこの人は在野の人なんだし、発言や行動の軸のぶれなさは見事だと思います。

けれど政治家や官僚、制度を作る側の立場の人はそれだけではいけないですよね。

社会保障から見た良い法律。経済政策から見た良い法律。異なる立場からの視点を複眼的にとらえて良い結果を生み出せる法制度を定めなければいけないと思うのだけど、それがちゃんと出来ているのかしら?

単に取り締まればOKという狭い視点でしか物事を見ていないということはないよね?

貧困の問題は戦争へとつながっているという言葉は昭和初期の状況と昨今の類似点を考えると否定出来ませんね。怖いぐらい似すぎているもの。

貧困への不満が戦争へとつながった事例なんて(しかも、その結果が望んだものではなく戦争前より一層悲惨な状態になって終わった事例なんて)、歴史を紐解けば東西世界中にあふれているもの。

好みや異論はあるのだろうけど私は顔がある人が好きなので(顔がなければ異論があっても議論が出来ないので)言行一致で筋を通して行動しているな、と思える人の本は面白かったです。

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