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zoom RSS 財政のしくみがわかる本 神野直彦

<<   作成日時 : 2008/12/06 21:47   >>

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政府は社会保障費の伸びの抑制の見直しを検討しているそうですが、この国は

「こういう国にしたい!だからこういう風に予算を作る!」

という発想で財政を組んでいるのではないのですね。

財政赤字だから削ればいいんだ、と数字だけを見て、数字から考えられる事柄まで想像しないから、医療制度を崩壊させて、その事実が広まって有権者からの反発が高まっているから見直します、だなんて。

あまりにも選挙対策がみえみえ。しかもタバコ税の引き上げで削れなかった分を補充します、なんて有権者なめてるのかい、と言いたくなりますね。

私はタバコは吸いませんし、どちらかと言わなくても嫌いなんですが、皆に文句言われなくて取りやすいところから取ろうという工夫のなさが嫌です。

やりくり上手の主婦のところに弟子入りしてこい!と言いたくなるような行動を国のトップがしないで欲しいです。

ちょうどこの本を読んだばかりだったので、余計にしょうもなさが目についたのかしら?

岩波ジュニア新書だから中高生向けなのでしょうけど、いやあ勉強になりました。

頭のいい人が子どもに伝わるように噛み砕いて経済の仕組みを教えてくれる本てなんてありがたいんでしょう!

「政府とは本来暴力という強制力を持っているところです。強制力をもって私たちの生活をまとめていくのが政府であり、その強制力がないと市場も動きません。なぜなら市場で取引するには『これはあなたのものです』と所有していることを認めてもわらなければならないからです」

「権力ができるのは商売を安全におこなえるための知恵だといいます」

あ、そうだったんですか。

「財政が出てくるためには二つの条件があることがわかります。
 @ 市場経済ができること
 A 民主主義ができること
 市場経済とともに民主主義が形成されると、必ずその裏側で財政が出来上がってきます」

「市場経済には3つの経済主体があります。
 @ 企業の経済…企業の構成員が決定して企業の構成員の為に行われる経済
 A 家計の経済…家計の構成員が決定して、家計の構成員の為に行われる経済。
 B 政府の経済(財政)…構成員が社会全体なので、企業・会計を含めた全ての経済をまとめる為におこなれるミクロでもありマクロでもある経済」

他の経済がそれぞれの構成員のことだけを考えればいい経済なのに対し、財政は社会全体のことを考えないといけない、ということですね。

「市場経済をつくるということは財政(金儲けしてはいけない領域)をつくることでもあり、日本で今起こっている問題は中国と同じように金儲けしていい領域と金儲けしてはいけない領域の区分が分からなくなっていること。全てを市場経済でやらせるようになって、区分の切り分けが出来ていないから社会的な混乱が起きている」

 中国に財政はあるか?という問いかけのこたえはそうだろうな、となんとなく予想できたのですが、中国と日本がともに同じような間違いをして社会を混乱させているとは思いませんでした。

「財政が金儲けしてはいけないだからこしサービスをただで配っている(=必要に応じて配っている)
家族の中でも財とサービスをただで配っています。赤ちゃんには育児サービスをお年よりには養老サービスを。
金儲けしてもいい領域だと対価原則が働き、サービスごとはにお金を支払うこととなる。赤ちゃんは働かないないので働かざる者食うべからず』ということになり、赤ちゃんは生きていけなくなる」

一番小さい経済単位である家計を例にあげて説明しているからわかりやすかったですね。「金儲けしてはいけない領域」と「金儲けしてもいい領域」を明確にし、サービスを購買力に応じて配るか、必要に応じて配るかがきちんと区別されていないと市場経済は混乱する、ということなのですね。

読みながら、うわ〜、そういうことだったんだ!と何度もうなってしまいましたよ、

租税制度によって、社会のあり方、目指す方向がわかるなんて誰も教えてくれなかったのですもの。

アメリカに比べてあらゆる所得階層が租税負担率が高いスウェーデンは

「貧しい人も税を負担してください。その代わりお互い助け合って生きていきましょう」

と考えているので、社会保障の福祉や教育をほとんど無料にして、お互いに助け合って生きていこうとしていて、対して税負担率が低いアメリカが

「所得が少なければ、税も少なくていいですよ。その代わり自己責任で生きてください」

と、いう国。それぞれの目指す方向が違っているから税制に違いが出る。なるほど筋が通っているわ。じゃあ、日本は?というと

「日本はどうやらアメリカのような国民が自分の責任で生きていく社会を目指しているらしい。なら、消費税の増税ではなく,所得税の増税を目指すべき。
 アメリカは消費税ではなく、所得税のウェイトが高い。」

「ヨーロッパのように消費税のウェイトを高めようとしているが、ヨーロッパは貧しい人々を支える社会保障が充実しているからこそ、貧しい人々にも負担がになえる。貧しい人々の生活を国民がお互いに支えあうのでもないのに、貧しい人々にも高い税負担を求めることができない。」

「日本はどのような社会を目指すのか明らかにしたうえで税金のあり方を考えていかないと社会は混乱するばかりです」

ううむ、社会のあり方なんて根本を考えていないで、ただ赤字を減らせばいいや、と赤字を減らすのに都合が良さそうなアメリカのやり方をただ真似したから、社会が混乱しているんだな。

あれは移民が多くて、弱肉強食・競走社会の方が社会が活性化する、と考えているアメリカ社会向けのやり方なのに。

分かりやすい文章なんですが、なるほど〜と考えながら読んだのでなかなか読み終わりませんでした。本当に目からうろこの一冊でした。

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